歯を抜けたままにしていると

歯を抜けたままにしていると

歯が抜けてしまった後に、どのような治療法を選択するかも重要ですが、その前に歯を抜けたままにしておかないということがとても重要です。

中には、「ここの歯は抜けてしまったけど、別に生活に特に支障もないし良いか・・・」
「今、ちょっと忙しいし、お金もないし、別に抜いたままにしておいても痛みもないからしばらくはこのままでも良いかな・・・」
「今まで、痛かった歯をやっと抜いてもらえた。せいせいした!」
と言って、歯を抜いたままにしてしまう方が少なからず、いらっしゃいます。

確かに、歯を抜いてそのままにしておいても、痛みが出るわけでも、腫れるわけでもありません。

1本、奥歯が抜けたぐらいであれば、別に食事にも、会話にも、見た目も普通ですから日常生活に困りません。歯がないわけですから、その部分が虫歯になるわけでも、歯周病になるわけでもありません。今までの歯の悩みから、開放されたと思ってしまう方までいらっしゃるようです。
つまり、すぐに何か問題が起きるわけではないので、そのままにしておいてしまう方がいらっしゃるのです。

しかし、これは大きな間違いなのです。
歯を抜いてそのままにしておくと、様々な問題が出てきます。

それはすぐに起きるものではありませんが、じわじわと時間をかけて、あなたに大きなトラブルとなって襲いかかって来る可能性が高いのです。

歯は指のように1本1本が動くことはありませんが、1本1本に役割があり、それぞれの機能を果たすことで全体が機能するようになっています。
ですから、1本無くなったままにしておくことで全体のバランスが崩れてくることになってしまうのです。

例えるなら、サッカーで1人が退場になってしまったようなものです。10人でも試合は出来ますが、バランスが悪く、相手チームに勝つことは難しくなります。
サッカーならば、その試合だけを乗り切れば良いですが、歯は1試合どころか、ずっと毎日、常に使うものです。長く続けば、大きなトラブルになることは明白ではないでしょうか。

歯を抜いたままにしておくと、次のような影響が出てきます。

機能面の影響

審美面の影響

生活面の影響

機能面の影響

抜けた歯と咬み合っていた歯が抜けた歯のスペースに伸びて出てくる(対合歯の挺出)

歯を失ってしまうことによって、これまで反対の歯はその歯と咬み合うことによって受けていた刺激が受けられなくなることによって、刺激を求めて伸びてくるのです。また、咬み合うことによってかかっていた20~40kgの力で多いときには1日数千回咬み合っていた歯が無くなることによって、歯が飛び出していくのです。

これは反対の歯の長さが長くなるのではなく、骨の中に埋まっていた部分が出てくることになります。そして、接触する歯がなければ、反対の歯ぐきまで伸びてくることもあるのです。

これによって、反対の歯は大きな問題を抱えることになってしまうのです。
長くなってしまった歯を戻すことはトンカチで打てば戻る釘とは違うので戻すことが難しくなり、抜けてしまった歯のスペースを補うための人工の歯を入れる際にもとても難しい治療となってしまうのです。

抜けた歯の両隣の歯が抜けた歯のスペースに動き、傾いてくる(隣接歯の傾斜)

下顎の骨にインプラントを埋める時に、ドリルによる舌下動脈、下歯槽動脈の損傷

歯は相互に力を掛け合うことによってその位置を保ってきました。しかし、歯を抜いてしまったことによって、その両隣の歯を支えてくれる歯が無くなってしまい、歯を抜いたことによってできたスペースに徐々に動き、傾いてきます。
また、これをそのまま長期間、放置しておくとさらに隣の歯も同じように傾いてきます。

この傾いてしまった歯を元に戻そうとすると、これは全体的な歯列矯正治療が必要になってきます。たった一部分の歯並びを治すだけでも、結局は全体に手をつけざるを得ず、費用としては80万円程度かかることが一般的です。

上記1・2が起こることによって、咬み合わせがおかしくなる (咬合の不調和・顎偏位症)

抜いてしまった反対の歯が伸びてきたり、抜いた歯の両隣の歯が傾いてくることによって、これまでは真っ直ぐ生えていて磨き易かった歯に磨きづらいスペースができることになります。

斜めに傾いた部分や、伸びた歯の部分は磨きづらくなるため、歯垢がたまりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高い状況になってしまいます。

それだけではなく、これまではしっかりと咬み合っていたのが、歯を抜いてしまったことによって、反対の歯が伸びたり、隣の歯が傾いてくることによって、咬み合わせがズレてきます。

また、抜いてしまった歯の本数が多い場合にはうまく咬むことが出来なくなってしまうので、もう片方の歯でばかり咬み(片咬み)、かみ合わせのバランスが崩れてきます。

このように咬み合わせがずれることにより、顎関節症の原因となるリスクが高くなってくるのです。

顎関節症の代表的な症状

  • 歯根膜がない(骨と直接接触する)
  • 歯根面に対して線維の走行は水平
  • 2方向の血液供給(歯ぐき、骨)

審美面の影響

歯が抜けたままであることによって見た目が悪くなる

歯が抜けたままですと、見た目が悪いですし、他の人からの印象が悪くなります。また、本人もそれを気にして、大きな口をあけて笑ったり、人とのコミュニケーションを取らなくなってしまうこともあるようです。

普段はあまり人の歯を意識してみない人でも、その人のお口の中に歯がなかったりすると、すごく気になったりするものです。
それだけ、歯が口元、そして人に与える印象は大きいということです。

歯の骨が溶けることによって、歯ぐきの位置が下がってくる

歯を失ってしまうと、歯ぐきが下がってきます。しかし、これは歯ぐきが下がっているのではありません。

歯を支えているのは歯ぐきではなく、歯槽骨という骨なのですが、この歯槽骨が歯を失ってしまったことによって機能しなくなり、その幅と高さを徐々に減らしていってしまうのです。
また、歯槽骨の空洞化も進んでいくことになるのです。

顔の輪郭が変化してくる

大人の歯を4本、抜歯する矯正治療によって顔の印象が変わるのは顔の輪郭の変化もあります。

奥歯を失うと、頬のラインや顎のラインが内側によります。これを矯正医学的に行うのであれば良いのですが、抜いた歯を放置していると、おかしなことになってしまうことがほとんどです。

歯を失ってから時間が経つと、歯ぐきも下がってくるので、頬がこけて見えたり、顎がたるんで見えたりします。また、前歯の場合は口元にシワが寄りやすくなります。

このように見た目の面からも抜いた歯を放置しておくということは大きなマイナスとなってしまうのです。

生活面の影響

きちんと咬めないことで胃腸に負担がかかる(咀嚼障害による胃腸への負担)

咬み合せのバランスが崩れてしまったことによってうまく食事を咀嚼できない状態が続くと消化しにくい状態で食べ物が胃腸に送られることになり、胃や腸への負担が増加します。

また、咀嚼がきちんとできないと唾液の分泌が不足するので、消化の妨げになります。それだけでなく、唾液は口の中をキレイにする自浄作用があります。
唾液の不足は口臭の原因となってしまう場合もあります。

上手く発音が出来なくなる

歯がない部分から息が漏れ、発音が不明瞭になってしまう場合もあります。
そのような自分の話し方を気にして、あまり人と話さなくなってしまうこともあります。

脳への刺激減少

咬むことで、脳に刺激が与えられるのですが、咬み合わせがずれることによって、この脳への刺激も減少することになってしまいます。

このように歯を抜いたまま放置しておくことで、様々な問題が起こることがお分かりいただけたと思います。

そして、重要なことはこのような問題を引き起こすだけでなく、歯を抜いた後に放置したことによって、反対の歯が伸びてきたり、両隣の歯が傾いてきていることが健康面での問題を引き起こす最大の原因なのですが、この状況を改善するにはかなり大掛かりな治療が必要となるということなのです。

「歯を抜いた後に放置せずに、すぐに対処していれば、こんな問題が起きなかったのに、何で後から」という患者様が来院されることもあります。

あなたがそのようなトラブルを抱えないためにも、インプラントでも、ブリッジでも、入れ歯でも何でも構いませんので、少なくとも、歯を抜いてしまった後は放置せずにしっかりと最後まで治療をするようにしてください。

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